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総督ピラトへの引き渡しのための協議

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12. 午前4時~午前5時 総督ピラトへの引き渡しのための協議

【聖書箇所】
マタイの福音書27章1~2節、マルコの福音書15章1節、ルカの福音書23章1節

ベレーシート

  • イェシュアに対する裁判は、大祭司カヤパがイェシュアを死刑にするための証拠を集める予備的なものと、夜が明けてからの本会議の二段階を踏んでいます。前者においてはイェシュアを冒涜罪という罪に定め、後者ではローマの総督ピラトに引き渡して死刑にするための協議がなされたのです。

【新改訳改訂第3版】マタイの福音書 27章1~2節
1 さて、夜が明けると、祭司長、民の長老たち全員は、イエスを死刑にするために協議した。
2 それから、イエスを縛って連れ出し、総督ピラトに引き渡した


【新改訳改訂第3版】マルコの福音書15章1節
夜が明けるとすぐに、祭司長たちをはじめ、長老、律法学者たちと、全議会とは協議をこらしたすえ、イエスを縛って連れ出し、ピラトに引き渡した


【新改訳改訂第3版】ルカの福音書 23章1節
そこで、彼らは全員が立ち上がり、イエスをピラトのもとに連れて行った。


【新改訳改訂第3版】ヨハネの福音書18章28節前半
さて、彼らはイエスを、カヤパのところから総督官邸に連れて行った。時は明け方であった。・・・・


1. ローマ総督のもとにおける正式の裁判のための協議

  • 大祭司の邸宅で持たれた非公式の裁判において、イェシュアを死刑にするための罪を冒涜罪としましたが、そうしたユダヤの宗教的罪ではイェシュアを死刑にすることはできませんでした。どうしてもローマの法による正式な裁判によって断罪されなければイェシュアを死刑に至らせることはできませんでした。そのために、サンヘドリンは夜が明けるのを待ってそのことを協議したと思われます。つまり、イェシュアを死刑にするためにはどうしても政治犯に仕立てなければならなかったのです。
  • 「夜が明けて」、サンヘドリンの議員たちが公式に集められました。そこで、イェシュアをローマ総督に引き渡して死刑にするための告発内容について協議がなされたと考えられます。具体的にどういう罪で告発すれば死刑にもっていけるのかが十分に話し合われたと思われます。マルコは「祭司長たちをはじめ、長老、律法学者たちと、全議会とは協議をこらしたすえ」と記しています。協議の中身についてはマタイもマルコも何も記していませんが、ルカは伝えています。それによれば、イェシュアが民を扇動して社会的な混乱を引き起こそうとしている危険な人物であり、ローマに対する反逆罪に当たるという告訴内容を以下のように入念に練り上げたのです(ルカ23:1~5)。

2. 協議による告訴内容

【新改訳改訂第3版】ルカの福音書23章1〜5節
1 そこで、彼らは全員が立ち上がり、イエスをピラトのもとに連れて行った。
2 そしてイエスについて訴え始めた。彼らは言った。「この人はわが国民を惑わし、カイザルに税金を納めることを禁じ、自分は王キリストだと言っていることがわかりました。
3 するとピラトはイエスに、「あなたは、ユダヤ人の王ですか」と尋ねた。イエスは答えて、「そのとおりです」と言われた。
4 ピラトは祭司長たちや群衆に、「この人には何の罪も見つからない」と言った。
5 しかし彼らはあくまで言い張って、「この人は、ガリラヤからここまで、ユダヤ全土で教えながら、この民を扇動しているのです」と言った。

  • ちなみにマタイとマルコは、イェシュアをピラトのところに連行するために、イェシュアを「縛って」連れ出し、引き渡したことを記しています。ゲツセマネの園で逮捕された時には、なぜか捕縛されていません。しかし、最高議会からピラトのところに連行する時には捕縛しているのです。それはイェシュアがいかに危険な人物かをピラトに印象づけるためであったと思われます。

3. 神の定めによる「引き渡し」によって神のご計画が実現する

  • マタイとマルコは、イェシュアを総督ピラトに「引き渡した」と記しています。これは、イェシュアが告知した通りです。

    【新改訳改訂第3版】マルコの福音書 10章33節
    「さあ、これから、わたしたちはエルサレムに向かって行きます。人の子は、祭司長、律法学者たちに引き渡されるのです。彼らは、人の子を死刑に定め、そして、異邦人に引き渡します


    画像の説明

    【新改訳改訂第3版】マルコの福音書15章1節
    夜が明けるとすぐに、祭司長たちをはじめ、長老、律法学者たちと、全議会とは協議をこらしたすえ、イエスを縛って連れ出し、ピラトに引き渡した


パラディトーミ.JPG
  • 「引き渡される」(未来受動形)、「引き渡します」(未来形)と訳されたギリシア語は「パラディドーミ」(παραδίδωμι)です。「パラディドーミ」は「与える」という意味の(「ディドーミ」δίδωμι)の強意形で「引き渡す」という意味。「売り渡す」「売る」「裏切る」とも訳されます。共観福音書におけるイェシュアの受難に多用されています。
  • 「パラディドーミ」は、ある物を、あるいは誰かを別の人物の裁量下に移すことを表わし、「引き渡す、渡す、預ける、委ねる、任せる」とも訳されます。そして、イザヤ書53章とも深い関係を持っています。

    【新改訳改訂第3版】イザヤ書53章8節、10節
    8 しいたげと、さばきによって、彼は取り去られた。彼の時代の者で、だれが思ったことだろう。彼がわたしの民のそむきの罪のために打たれ、生ける者の地から絶たれたことを。

    10 しかし、彼を砕いて、痛めることは【主】のみこころであった。もし彼が、自分のいのちを罪過のためのいけにえとするなら、彼は末長く、子孫を見ることができ、【主】のみこころは彼によって成し遂げられる。

  • すべてが神のご計画の中で進められて行きます。それゆえに、イェシュアの受難は受けるべくして受ける必然的受難なのです。それはイェシュアが身に受けるすべての傷は、イェシュアの身体というキャンバスに人間の罪をハッキリと描かせることだったからです。

2015.3.22


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