****** 教会は、ヘブル的ルーツとつぎ合わされることで回復し、完成します。******

詩篇110篇に見るメシア

文字サイズ:

詩篇は、神と私たちの生きた関係を築く上での最高のテキストです。

15. 詩篇110篇に見るメシア

ベレーシート

  • この詩篇は難解な詩篇です。しかし神のマスタープランを知っている者にはそれほど難しい詩篇ではありません。そして、この詩篇で登場する人称がだれのことを指しているかを整理することができるはずです。しかし3節の訳は難解です。他の聖書を見比べてみると、頭がさらに混沌としてしまいます。その理由は、この3節に限っては動詞がひとつもなく、名詞(句)だけが置かれているために、どのようなつながりになっているのかを理解するのが難しいのです。
  • この詩篇は御父が、ダビデにとっての「私の主」、つまりイェシュアに対して語っています。1節の冒頭の「主は、私の主に仰せられる」という部分も原文には動詞がありません。「ネウム・アドナイ・ラドーニー」(נְאֻם יהוה לַאדֹנִי)を直訳すると「私の主に対する主の御告げ」となります。

【新改訳改訂第3版】詩篇110篇1~7節 ダビデの賛歌
1 【主】は、私の主に仰せられる。「わたしがあなたの敵をあなたの足台とするまでは、わたしの右の座に着いていよ。」
2 【主】は、あなたの力強い杖をシオンから伸ばされる。「あなたの敵の真ん中で治めよ。」
3 あなたの民は、あなたの戦いの日に、聖なる飾り物を着けて、夜明け前から喜んで仕える。あなたの若者は、あなたにとっては、朝露のようだ。
4 【主】は誓い、そしてみこころを変えない。「あなたは、メルキゼデクの例にならい、とこしえに祭司である。」
5 あなたの右にいます主は御怒りの日に、王たちを打ち砕かれる。
6 主は国々の間をさばき、それらをしかばねで満たし、広い国を治めるかしらを打ち砕かれる。
7 主は道のほとりの流れから水を飲まれよう。それゆえ、その頭を高く上げられる。


登場する人称を整理すると、以下のようになります。
●1節・・「」(יהוה)は御父。「私」はダビデ。「主」(אֲדֹנָי)は「御子」。括弧の中の「わたし」は御父で、「あなた」は御子。
●2節・・「主」は御父。「あなた」は御子。
●3節、4節・・「あなた」は御子。「」は御父。
●5節・・「あなた」は御父。「主」は御子。
●6節、7節・・「主」は御子。


1~4節は御父が御子に対して語り、5~7節はダビデが御父と御子に対して賛美しているのです。


1. 神の右の座に引き上げられた御子

  • 「わたしがあなたの敵をあなたの足台とするまでは、わたしの右の座に着いていよ。」(1節)の「あなたの敵をあなたの足台とするまで」とは、御子が敵を足台とするのはメシアとして地上に再臨する時ですから、それまでの期間ということになります。この詩篇がダビデによって預言されてから、すでに三千年近くになります。御子イェシュアが神の右の座に引き上げられてからも、すでに二千年が経過しています。イェシュアは神(御父)の右の座に着いてずっと、私たちのために祭司としてとりなしの働きをしておられます。
  • 「着いていよ」という命令形は、座るという動詞「ヤーシャヴ」(יָשַׁב)の命令形「シェーヴ」(שֵׁב)です。御子は、「罪のきよめを成し遂げて、すぐれて高い所の大能者の右の座に着かれました」(ヘブル1:3)。


2. メシア王国を治める御子

  • 2節では「【主】は、あなたの力強い杖をシオンから伸ばされる。『あなたの敵の真ん中で治めよ。』」とあるように、御子は鉄の杖をもって千年の間、卓越した知恵と力をもって地上を治める方となります。「治める」という意味の「ラーダー」(רָדָה)の命令形「レデー」(רְדֵה)が使われています。初出箇所は創世記1章26節で、神が人に地上にあるすべてのものを支配させようとした語彙です。
  • 3節には、王に喜んで従う民たちの存在がいます。彼らは「聖なる飾り物を着けて、夜明け前から喜んで仕える」のです。ここでの「聖なる飾り物」とは、かつてアロン系列の祭司たちが着ていた装束と関係するかもしれません。メシア王国においては、メシアなる御子はメルキゼデクの系列にありますから、メシアに従う者たちも永遠の「王である祭司」となることを示していると考えられます。

3. 国々の間をさばかれる御子

  • 4節と5節に「あなたの右にいます主は御怒りの日に、王たちを打ち砕かれる。主は国々の間をさばき、それらをしかばねで満たし、広い国を治めるかしらを打ち砕かれる。」とあります。二度も「打ち砕かれる」(「マーハツ」מָחַץ)が使われています。敵が二度と立てないように、粉々に砕くことを意味します。
  • 神のマスタープランにおいては、終わりの日に反キリストに従う諸国の軍勢がエルサレムに集結します。その目的はイスラエルを全滅させるためですが、この危機的な状況が王なるメシアである御子がこの地上に再臨されることで逆転します。メシアが反キリストの軍勢を打ち砕かれるからです。


2016.8.23


a:1500 t:3 y:1

powered by Quick Homepage Maker 5.2
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional