1章28節
創世記1章28節
【新改訳2017】
神は彼らを祝福された。神は彼らに仰せられた。「生めよ。増えよ。地に満ちよ。地を従えよ。海の魚、空の鳥、地の上を這うすべての生き物を支配せよ。」
כח וַיְבָרֶךְ אֹתָם אֱלֹהִים וַיֹּאמֶר לָהֶם אֱלֹהִים פְּרוּ וּרְבוּ וּמִלְאוּ אֶת־הָאָרֶץ
וְכִבְשֻׁהָ וּרְדוּ בִּדְגַת הַיָּם וּבְעֹוף הַשָּׁמַיִם וּבְכָל־חַיָּה הָרֹמֶשֶׂת עַל־הָאָרֶץ׃
「ヴァイェヴァーレフ オーターム エローヒーム ヴァッヨーメル ラーヘム エローヒーム ペルー ウーレヴー ウーミルウー エット・ハーアーレツ」
「ヴェヒヴシュハー ウーレドゥー ビドゥガット ハッヤーム ウーヴェオーフ ハッシャーマイム ウーヴェホル・ハッヤー ハーローメセット アル・ハーアーレツ」
●ここで、神はご自身のかたちに造られた人を「かれら」(集合人格)と呼び、その彼らを祝福して、「生めよ。増えよ。地に満ちよ。地を従えよ。」、そして「生き物を支配せよ。」と命じています。文字通りすべて命令形です(26節の「支配させよう」は指示形です)。「従える」「支配する」ということは、主権を持つことを意味します。主権とは、権威を行使する領域(=王国)を持つことを意味します。つまり、アダムは神を代行して主権を持つ権威が与えられたということです。神のみこころは、人に主権を与えることによって「茫漠として何もなかった地」を新しく創造することだったのです。
(1) 「生めよ(産めよ) 」(「パーラー」פָּרָה)
●「生めよ」と訳された「パーラー」(פָּרָה)は、「多く実らす」「多くの実を結ぶ」ことを意味します。これは「増やす」ことでもあります。単なる数が増えることではなく、イェシュアが「ぶどうの木のたとえ」で言われたように、多くの実を結ばせることで御父の栄光が現されるためです。そのような人を神は創造されたのです。
(2) 「増えよ」(「ラーヴァー」רָבָה)
●文字通り、数が増えることを意味します。
(3) 「(地を)満たせ」(「マーレー」מָלֵא)
●「満ちる、充満させること」、地において、神の計画とみこころを「実現する」ことを意味します。
(4) 「従えよ」(「カーヴァシュ」כָּבַשׁ)
●「カーヴァシュ」(כָּבַשׁ)は、「踏みつけ、従わせ、征服し、支配する」ことを意味します。イスラエルの民はヨシュアに率いられて約束の地カナンの地を征服しましたが、いまだ残っていました。約束の地を完全に征服したのはダビデです。しかもイスラエルの全部族をまとめて支配したのも王ダビデです。ダビデは約束の地に真の安息をもたらす「王なるメシアの型」なのです。
●キリストが再臨されると、全地は神の王国(メシア王国)となります。千年王国では全地は神の王国となります。
【新改訳2017】ヨハネの黙示黙 11章15節
第七の御使いがラッパを吹いた。すると大きな声が天に起こって、こう言った。「この世の王国は、私たちの主と、そのキリストのものとなった。主は世々限りなく支配される。」とあります。神は神の王国がこの地に来ること、神のみこころが地で行われることを望んでいます(マタイ6:10「あなたのみこころが天で行われているように、地でも行われますように。」)。
●「カーヴァシュ」(כָּבַשׁ)は神から約束されたカナンの地を(エルサレムも含めて)治めることに使われています。千年紀の後の永遠の国においては、神の永遠の住まいである「新しいエルサレム」が天から新しい地に下ってきます。
【新改訳2017】ヨハネの黙示録21章1~2節
1 また私は、新しい天と新しい地を見た。以前の天と以前の地は過ぎ去り、もはや海もない。
2 私はまた、聖なる都、新しいエルサレムが、夫のために飾られた花嫁のように整えられて、神のみもとから、天から降って来るのを見た。
(5) 「支配せよ」(「ラーダー」רָדָה)''
●26節を参照。ここではなぜか「家畜」が省かれていますが、「ラーダー」(רָדָה)は地の生き物を支配することに用いられています。最終的に、すべての聖徒たちは新しいエルサレムにおいて、永遠に王として地を支配します。神の主権が、地という領域(永遠の王国)において、人は神のかたちが完全に表されて、神の栄光が現わされるのです。
2019.11.14
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