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1章6節


創世記1章6節

【新改訳2017】
神は仰せられた。「大空よ、水の真っただ中にあれ。
水と水の間を分けるものとなれ。」

ו וַיֹּאמֶר אֱלֹהִים יְהִי רָקִיעַ בְּתֹוךְ הַמָּיִם
וִיהִי מַבְדִּיל בֵּין מַיִם לָמָיִם׃

「ヴァッヨーメル エローヒーム イェヒー ラーキーア ベトーフ ハッマーイム ヴィ―ヒー マヴディール ベーン マイム ラーマーイム」

1. 「大空」(ラーキーア)

●第二日は「大空」の創造です。「大空」と訳された「ラーキーア」(רָקִיעַ)は「蒼穹(そうきゅう)、天蓋(てんがい)、穹蒼(おおぞら)」とも訳されます。とても不思議な方法です。すでに2節にあった「水」(「ハッマーイム」הַמָּיִם)を二つに分けて、その真っただ中に「ラーキーア」を造ります。1節の「神は天と地を創造された」とあります。そこでは「天」が何であり「地」が何であるのか、一切言及されていませんでしたが、その創造の経緯が少しずつ明らかになっていきます。「天と地」の「天」が6~8節に、そして「地」が9~10節に、どのような経緯で造られたかを記しています。それが意味するのは、自然科学でイメージするようなものではありません。モーセが実体験した歴史的出来事に基づいた話なのです。

●「ラーキーア」(רָקִיעַ)は旧約では17回の少ないですが、この語彙が8節で「天」(「シャーマイム」שָׁמַיִם)と名付けられた後は、14節以降で「天の大空」という言い方がなされています(1:14, 15, 17, 20)。

●17回中9回が創世記1章に、そして後の8回は、詩篇19篇2節で「天は神の栄光を語り告げ 大空は御手のわざを告げ知らせる。」, 150篇1節, エゼキエル書1章にある「ケバル川の幻」では4回(22「生きものの頭の上には、澄んだ水晶のように輝く大空のようなものがあり、」, 23「その大空の下には」, 25「彼らの頭上の大空から声があると、彼らは立ち止まり、翼を垂れた」」, 26「彼らの頭の上、大空のはるか上のほうには、サファイアのような何か王座に似たものがあり、その王座に似たもののはるか上には、人間の姿に似たものがあった」)、および10章1節。そしてダニエル書12章3節(ここでは「賢明な者たちは大空の輝き(まぶしさ)のように輝き」と比喩的に使われています)

2. 「真っただ中に」

●「ラーキーア」(רָקִיעַ)の語源である動詞の「ラーカ」(רָקַע)のピエル態で「金属板を打ちたたいて延ばす」という意味があります。しかしここで重要なのは、それを「水と水の間の真っただ中に」造ったということです。「真っただ中に」と訳された「ベトーフבְּתוֹךְ)は、前置詞の「べ」(בּ)と「中、間、真ん中」を意味する「タ―ヴェフ」(תָּוֶךְ)からなる合成語ですが、聖書において(創世記1~3章においても)重要な語彙なのです。それは追って学んでいきたいと思いますが、その重要性を一つ挙げるとすれば、以下のように「神が私たちのただ中に住む」という「神の内住」を示唆する合成語だからです。

【新改訳2017】出エジプト記 25章8節
彼らにわたしのための聖所(「ミクダーシュ」(מִקְדָּשׁ)を造らせよ。そうすれば、わたしは彼らのただ中に(בְּתוֹכָם)住む。


2020.1.6
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