3章2節
創世記3章2節
【新改訳2017】創世記3章2節
女は蛇に言った。「私たちは園の木の実を食べてもよいのです。【聖書協会共同訳】創世記3章2節
女は蛇に言った。「私たちは園の木の実を食べることはできます。
- 「園の木の実を」の直訳は、「その園の木の実から」(מִפְּרִי עֵץ־הַגָּן)です。「ミペリー」は「ミン」(מִן)と「ペリー」(פְּרִי)の省略形です。「ペリー」の初出箇所は創世記1章11節です。人が食べるのは常に「木の実」(果実)で、黙示録22章にある新しい地においても、食べ物は「いのちの木の実」なのです。それは種子を生じる木の実です。
- 「私たちは・・・食べてもよいのです」は、ヘブル語だと「ノーヘール」(נֹאכֵל)の一語です(נֹאכֵרはנֹאכַרの停止形)。これは1人称複数の未完了形です。動詞の未完了形は多くは未来を表わしますが、繰り返して起こる行為を示す場合も未完了形が用いられます。例えば、創世記2章6節の「豊かな水が地から湧き上がり、大地の全面を潤していた。」の「湧き上がり」(עָלָה)は未完了であり、「潤していた」(שָׁקָה)はヴァヴ倒置法で意味としては未完了形です。未完了形は他にも願望や命令や可能などの意味を表わすのに用いられます。創世記3章2節の「園の木の実を食べてもよいのです」がその例(可能)です。3章2節~15節までの動詞はすべて未完了形の意味です。
- 蛇の「園の木のどれからも食べてはならないと、神は本当に言われたのですか。」という質問に対して、女は蛇に「私たちは園の木の実を食べてもよいのです。」と答えたことは、決して間違いではなかったのです。ところが・・です。
2018.11.28
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