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セナケリブの来襲とヒゼキヤの祈り

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27. セナケリブの来襲とヒゼキヤの祈り

【聖書箇所】36章1節~37章38節

ベレーシート

  • イザヤ書37~38章はⅡ列王記18章13節~20章21節と並行関係になっています。
    脚注1 しかし微妙に異なっているのです。

Ⅱ列王記18章13節

13ヒゼキヤ王の第十四年に、アッシリヤの王セナケリブが、ユダのすべての城壁のある町々を攻めて、これを取った。


14 そこでユダの王ヒゼキヤはラキシュのアッシリヤの王のところに人をやって、言った。「私は罪を犯しました。私のところから引き揚げてください。あなたが私に課せられるものは何でも負いますから。」そこで、アッシリヤの王は銀三百タラントと、金三十タラントを、ユダの王ヒゼキヤに要求した。
15 ヒゼキヤは【主】の宮と王宮の宝物倉にある銀を全部渡した。
16 そのとき、ヒゼキヤは、ユダの王が金を張りつけた【主】の本堂のとびらと柱から金をはぎ取り、これをアッシリヤの王に渡した。






17 アッシリヤの王は、タルタン、ラブ・サリス、およびラブ・シャケに大軍をつけて、ラキシュからエルサレムのヒゼキヤ王のところに送った。彼らはエルサレムに上って来た。彼らはエルサレムに上って来たとき、布さらしの野への大路にある上の池の水道のそばに立った。
18 彼らが王に呼びかけたので、ヒルキヤの子である宮内長官エルヤキム、書記シェブナ、アサフの子である参議ヨアフが、彼らのもとに出て行った。

イザヤ書36章1節

1ヒゼキヤ王の第十四年に、アッシリヤの王セナケリブが、ユダのすべての城壁のある町々を攻めて、これを取った。


●Ⅱ列王記18章14~16節はイザヤ書では省略されている。そこではヒゼキヤが無条件降伏をして、貢税をアッシリヤの王に納めたことが記されています。にもかかわらず、アッシリヤの王セナケリブはその条件を裏切り、エルサレムを包囲しようとしたのです。脚注2

●イザヤ書36章1節と2節との間には、12~13年の年月が経過しています。この間に、Ⅱ歴代誌32章2~8節ことが入っていると考えられます。つまり、セナケリブの膝元にあるバビロンとエラムの反乱に手こずっているのを知ったヒゼキヤが、反アッシリア同盟に加わり、エジプトのティルハルカに援軍を頼んだことです。そこで、セナケリブがユダに攻め入り、自分はラキシュにとどまり、部下のラブ・シャケに大軍をつけてエルサレムを包囲させたということです。


2 アッシリヤの王は、ラブ・シャケに大軍をつけて、ラキシュからエルサレムに、ヒゼキヤ王のところへ送った。ラブ・シャケは布さらしの野への大路にある上の池の水道のそばに立った。
3 そこで、ヒルキヤの子である宮内長官エルヤキム、書記シェブナ、および、アサフの子である参議ヨアフが、彼のもとに出て行った。



1. ラブ・シャケの脅迫のことば

セナケリブの勢力図.JPG
  • アッシリヤの将軍ラブ・シャケはヒゼキヤの3名の長老たちを「布さらしの野への大路にある上の池の水道のそば」に呼び出し、アッシリヤの王に反逆して、何に拠り頼もうとしているのかと脅迫しています。ヒゼキヤの長老たちはラブ・シャケにアラム語で話すよう求めましたが、彼はエルサレムの城壁にいる兵士たちにも理解できるように意図的にヘブル語で話をしたのです(鍋谷堯爾師によれば、アラム語とヘブル語の違いは、江戸弁と薩摩弁ほどの違いであると説明していますが、私にはどれほどの違いなのか見当がつきませんが・・)。
  • ラブ・シャケの脅迫は続き、「ヒゼキヤが、主は必ずわれわれを救い出してくださる。この町は決してアッシリヤの王の手に渡されることはない、と言って、おまえたちに主を信頼させようとするが、そうはさせない。」と言って、民の心を王であるヒゼキヤから離反させようとします。そして、もし無条件降伏すれば、いのちと生活は保障すると約束します。ところが、このラブ・シャケに対してユダの「人々は黙っており、彼に一言も答えなかった。」とあります。これはヒゼキヤの命令でもあったのですが、王と民がこの危機に際して一枚岩になっていることがすごいことです。これはラブ・シャケの脅迫は全く効き目がなかったことを意味します。

2. 王と民とのゆるぎない信頼関係

  • ヒゼキヤはアッシリヤによるエルサレム包囲というこの国家最大の危機に際し、どのようにして乗り越えたのかを知ることは重要です。その最大の要因とは何だったのでしょうか。それは王と民とのゆるぎない信頼関係です。しかしこの信頼関係は一朝一夕にして築かれたものではありません。ヒゼキヤが王として即位した後の霊的領域における改革(Ⅱ歴代誌29:10)、過越の祭りの執行(Ⅱ歴代誌30:1)、そして罪から離れて主に立ち返りの奨励の一つひとつの積み重ねがあったと言えます。
    セナケリブ.JPG
  • Ⅱ歴代誌32章1節にはこう記されています。「これらの誠実なことが示されて後」に、アッシリヤのセナケリブが来襲し、ユダに入り、城壁の町々(46)を占拠したということです。すでに危機に対する準備は整えられていました。しかも重要な準備が。エルサレムの包囲の出来事に至る一部始終に、ヒゼキヤの主に対する「誠実さ」が大きくかかわっていたのです。


3. イザヤの助言ととりなしの祈りを求めたヒゼキヤ

  • ヒゼキヤは三人の部下たちを通してラブ・シャケのことばを聞かされたとき、主の宮に行きました。それは神の御旨を求めて祈るためです。さらにヒゼキヤはイザヤのもとに使いを遣わして次のように言わせました。

【新改訳改訂第3版】イザヤ書37章3~4節
3『きょうは、苦難と、懲らしめと、侮辱の日です。子どもが生まれようとするのに、それを産み出す力がないのです。
4 おそらく、あなたの神、【主】は、ラブ・シャケのことばを聞かれたことでしょう。彼の主君、アッシリヤの王が、生ける神をそしるために彼を遣わしたのです。あなたの神、【主】は、その聞かれたことばを責められますが、あなたはまだいる残りの者のため、祈りをささげてください。』」

  • 「子どもが生まれようとするのに、それを産み出す力がない」というのは、母胎に子を産み出す力がないとき、医者の助けがないと母子ともに死ぬ危険があったことから、今や危機的な状況にあることをヒゼキヤは訴えて、イザヤの助言と祈りを求めています。それに対するイザヤの答えは以下の通りです。

【新改訳改訂第3版】イザヤ書37章6~7節
6 イザヤは彼らに言った。「あなたが聞いたあのことば、アッシリヤの王の若い者たちがわたしを冒涜したあのことばを恐れるな。7 今、わたしは彼のうちに一つの霊を入れる。彼は、あるうわさを聞いて、自分の国に引き揚げる。わたしは、その国で彼を剣で倒す。』」

  • 最後のセナケリブ暗殺の預言は、約7年後に成就します。

4. ヒゼキヤ自身の祈り

  • ヒゼキヤ自身が主に祈る前に再度、ラブ・シャケは使者たちをヒゼキヤのところに直接送リ、脅迫(第三回目)状を手渡しています(37:8~13)。クシュ(=エチオピア)の王ティルハカの軍の来襲の知らせを聞いて、その前にエルサレムの件を片付けておこうと思惑が働いたと思われます。
  • ヒゼキヤはその手紙を主の前に広げて主に「救い」を求めて祈りました。その祈りの中で特に目立つのは、「(ただ)あなただけが神(あるいは、主)です」という表現です(16, 20節)。これは神の唯一性、至高性、無比性を意味します。
  • この祈りに対して神はイザヤを通して答えられます。

    【新改訳改訂第3版】イザヤ書37章33~35節
    33 それゆえ、アッシリヤの王について、【主】はこう仰せられる。彼はこの町に侵入しない。また、ここに矢を放たず、これに盾をもって迫らず、塁を築いてこれを攻めることもない。
    34 彼はもと来た道から引き返し、この町には入らない。──【主】の御告げ──
    35 わたしはこの町を守って、これを救おう。わたしのために、わたしのしもべダビデのために。

  • この確かな祈りの答えが、37章36~38節に見ることができます。

    【新改訳改訂第3版】イザヤ書37章36~38節
    36 【主】の使いが出て行って、アッシリヤの陣営で、十八万五千人を打ち殺した。人々が翌朝早く起きて見ると、なんと、彼らはみな、死体となっていた。脚注3
    37 アッシリヤの王セナケリブは立ち去り、帰ってニネベに住んだ。
    38 彼がその神ニスロクの宮で拝んでいたとき、その子のアデラメレクとサルエツェルは、剣で彼を打ち殺し、アララテの地へのがれた。それで彼の子エサル・ハドンが代わって王となった。



脚注1

画像の説明

脚注2
●ヒゼキヤはアッシリヤの侵攻による深刻な危機的状況に見舞われたことで、その危機を逃れるために莫大な賠償金(貢税)を払ってアッシリヤに和平を乞いました。この時のヒゼキヤは信仰的とは言えません(Ⅱ列王記18:13~16)。この政治的講和は危機の解決とはならず、わずかに問題を先へ引き延ばしたにすぎませんでした。アッシリヤは再度侵攻して来ました。ヒゼキヤはここで徹底的に神に拠り頼む以外に危機を乗り越える道はないと悟ったようです。

脚注3
●このときの感動と爆発的な感謝、そして信仰告白が詩篇46篇に歌われていると言えます。歴史の背景にぴったりとはまっています。

2014.9.24


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