****** キリスト教会は、ヘブル的ルーツとつぎ合わされることで回復し、完成します。******

まことの

聖餐のための瞑想(4) 「まことの」

ベレーシート

【新改訳改訂第3版】ヨハネの福音書 6章55節
わたしの肉はまことの食物、わたしの血はまことの飲み物だからです。


●「まことの」と訳されたギリシア語「アレーセース」(ἀληθής)は形容詞です。それは「本当の」「真実の」「誠実な」とも訳されます。隠されずに現われている事実に即したことを意味します。この世には、まがいものや不完全なものが満ちています。なぜならこの世は「偽りの父」(サタン)が支配しているからです。「偽り」とはすべてのものが偽りということでは決してありません。本物の事柄の中にわずかな毒を混ぜることによって「偽物」を「本物」だとだましているのです。ですから多くの人はそのことに気づきません。イェシュアが「まことに、まことに」(אָמֵן אָמֵן)と言って語らなければならないほどに、「ホンモノ」を知ることも、「ホンモノ」に出会うことも難しいのです。

●「アレーセース」(ἀληθής)はヨハネの特愛用語です。26回のうちその半数以上の14回がヨハネの福音書にあるからです(3:33/4:18/5:31, 32/6:55, 55/7:18/8:13, 14, 17, 26/10:41/19:35/21:24)。

●名詞の「まこと」は「真理」「真実」と訳されます。ギリシア語は「アレーセイス」(ἀλήθεια)、ヘブル語は「エメット」(אֱמֶת)です。キリスト教は「アーメン」の宗教だと言われますが、その通りです。「アーメン」はヘブル語の「真実」を意味する語彙「アーメン」(אָמֵן)です。

●「神の真実」は神が約束されたことは決して反故になることはなく、必ず実現されるということに表されます。使徒パウロは「私たちは(主に対して)真実でなくても、彼(=イェシュア)は(私たちに対して)常に真実である(あり続ける)」(Ⅱテモテ2:13)と述べています。


1. 「まことの」方であるイェシュア

  • イェシュアは「主である」ことと、そして「まことの方」であることとは同義です。なぜなら、イェシュアは「父のみもとから来られた」方であり(ヨハネ1:14)、「父のふところにおられるひとり子」だからです(ヨハネ1:18)。その方だけが神のことを説き明かすにふさわしい方だからです。
  • マタイとマルコはそれぞれ1回ずつ、イェシュアが「まことの方」であることを記しています。しかしそれはイェシュアを陥れる偽善的な行為のことばでした。

【新改訳改訂3】 マタイ22章16節
彼らはその弟子たちを、ヘロデ党の者たちといっしょにイエスのもとにやって、こう言わせた。「先生。私たちは、あなたが真実な方で、真理に基づいて神の道を教え、だれをもはばからない方だと存じています。あなたは、人の顔色を見られないからです。」


●ここまでは「正しいこと」を述べています。ところがその後のことば、「それで、どう思われるのか言ってください。税金をカイザルに納めることは、律法にかなっていることでしょうか。かなっていないことでしょうか。」(マタイ22:17)に、イェシュアは彼らの偽善を見抜きました。もし「税金をカイザルに納めることが律法にかなっている」と言えば、皇帝を神と認める発言となり、ローマの支配に反発する多くの民衆は騒ぎ出してイェシュアが不利な立場に立たされます。逆に「税金をカイザルに納めることは律法にかなっていない」と言えば、ローマ帝国に反旗を翻す者として訴えられ、捕らえられることになります。どう答えても逃れられない質問でした。イェシュアは彼らの偽善と悪意を知って彼らに銀貨を持って来させると、「カイザルのものはカイザルに返しなさい。そして神のものは神に返しなさい。」と言われたとき、イェシュアを罠に陥れようとした者たちは驚いて退散したのでした。

●いつの時代にもこのような質問によって、イェシュアの語っていることばの真意を分からなくさせようとするのは、「偽りの父」の戦略です。それゆえ、「まことの方」であるイェシュアのことばに耳を傾けなければなりません。

●【新改訳改訂第3版】ヨハネの福音書7章18節
自分から語る者は、自分の栄光を求めます。しかし自分を遣わした方の栄光を求める者は真実であり、その人には不正がありません。


2. イェシュアのあかしを受け入れた者は、神が真実であることを確認する

【新改訳改訂第3版】ヨハネの福音書3章32~33節
32 この方は見たこと、また聞いたことをあかしされるが、だれもそのあかしを受け入れない。
33 そのあかしを受け入れた者は、神は真実であるということに確認の印を押したのである。


2017.10.5


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