5. 知恵の詩篇
詩篇は、神と私たちの生きた関係を築く上での最高のテキストです。
5. 知恵の詩篇
- 詩篇37篇の特徴の第一は、「知恵の詩篇」であるということです。そこには嘆願も賛美もありません。そこには、イスラエルの長い歴史の中で、しかもその多くが失敗の歴史から培われた知恵が淡々と語られています。知恵の詩篇は神のご計画とみこころの「光の世界」と、それに対抗する「闇の世界」との相克を内実としています。
- 詩篇37篇の特徴の第二は、「アルファベット詩篇」であるということです。これは教育的配慮によるものだと考えられます。と同時に、そこには「遊びの精神」があります。「すべて遊びなり」と言ったオランダの歴史学者の「ホモ・ルーデンス」の世界です。遊びと真面目さの境界線の見分けがつかない世界です。ですから、さまざまな工夫が込められています。例えば、説教で「これこれの聖書箇所から三つのポイントでお話ししたいと思います。」というのも実は遊びの一種なのです。私が文書作成でしばしばするように、「はじめに」とか「ベレーシート」とするのも、遊びなのです。
- また、詩篇37篇は「ヘブル語詩篇の修辞法であるパラレリズムとは、かくあるべし」という教材としても、きわめて価値ある詩篇と言えるのです。
2016.12.2~12.27
0 | 詩篇37篇のテキスト | 1~40節 | 12.02 |
1 | 詩篇37篇01~04節 | 地に住み、誠実を養え | 12.02 |
2 | 詩篇37篇05~07節 | あなたの道を主にゆだねよ | 12.03 |
3 | 詩篇37篇08~11節 | 地を受け継ぐ者たち | 12.06 |
4 | 詩篇37篇12~15節 | 悪しき者は正しい者に敵対して事を図る | 12.07 |
5 | 詩篇37篇16~19節 | 主は正しい者をささえられる | 12.14 |
6 | 詩篇37篇20~24節 | 悪者は滅び、消え失せ、断ち切られる | 12.16 |
7 | 詩篇37篇25~29節 | 地を受け継ぎ、いつまでもそこに住みつこう | 12.20 |
8 | 詩篇37篇30~33節 | 正しい者の口は知恵を語る | 12.21 |
9 | 詩篇37篇34~36節 | 主を待ち望め。主の道を守れ。 | 12.24 |
10 | 詩篇37篇37~40節 | 平和な人には子孫ができる | 12.27 |
2016.12.2
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